5.医用器具の消毒

医用器具の消毒方法は物理的消毒(熱水)と化学的消毒があります。


分類 特徴 主な注意点
化学的
(薬液消毒)
熱消毒の設備がない場合や、生体および環境と非耐熱性の医用器具に利用可能 ・適切な濃度、温度、接触時間が必要である
・化学薬品であるので、保管や廃棄にも注意が必要である
物理的
(熱水)
80℃、10分間で芽胞以外の一般細菌を感染可能な水準以下に死滅または不活性化できる

・耐熱性の器具以外には利用できない
・熱傷の危険性がある

・血液や有機物が残留していると効果が減弱する


医用器具を消毒するときに選択する消毒法の基本は、対象器具は耐熱性があるか否かで判断します。物理的消毒では熱水(100℃以下)を用いるので適用温度に耐えられるのであれば、効果が確実で経済的、残留毒性もないことから第一優先と言えます。


物理的消毒が適用不可の場合は化学的消毒を用いますが、消毒薬により微生物を殺滅する機序および効果が異なるので、各医用器具が必要とするレベルの消毒薬を選択し、適切に実施します。